今さら聞けない素朴な疑問 | 再生日本21


今さら聞けない素朴な疑問

みんなが関わることなのに、「年金の仕組みや制度」は、意外とみんな知らないものです。そこでここでは、年金問題をより深く理解するために、「年金の仕組みや制度の基礎について」解説いたします。

「年金ってなに?」(年金の基礎知識)

ここでは、年金制度の全体の仕組みについてみてみましょう。 知っているようで、意外と知らない年金制度。 年金問題を理解するためには、現在の仕組みについて考えてみる必要があります。

年金は保険の“仲間”

年金とは、国が運営する保険のひとつです。 加入者から保険料を集め、その集めたお金を年金給付金として、老齢者に渡す、という仕組みです。


年金は保険の“仲間”2国が運営する保険の仲間として、健康保険(病気・怪我に対応)、雇用保険(失業手当など)、労災保険(仕事中の怪我や事故に対応)などがあります。

また、生命保険やがん保険などは、民間が運営する保険です。保険会社等が運営する年金もあります。これは個人年金と呼ばれています。


年金は保険の“仲間”3国の保険と民間保険の一番の違いは、国の保険は強制加入という点です。

民間の保険は、自分で入りたい保険を選び、個別に契約します。 しかし、国の保険の場合、年齢や就職など、一定の条件で自動的に加入することになります。(国民皆保険、皆年金制度)

「年金は払っていない」から年金未加入という方も、登録はされています。つまり、未加入ではなく「未納者」扱いになっているのです。

年金のおおまかな仕組み

年金のおおまかな仕組み1年金の大原則

・強制加入
・20歳から60歳までの40年間、年金保険料を払う
・うち25年分以上(途中が途切れていてもOK)を払うと65歳から年金給付が一生もらえる
・多く払った人ほど多くもらえる。


公的年金とは、「40年間保険料を支払い続ける」と「65歳から生涯にわたり給付(お金)がもらえる」という、保険のひとつです。65歳から給付を受けるには、40年間のうち少なくとも25年以上は、支払い続けなくてはいけません。途中で一部抜けていたりしても、合計で25年になれば給付は受けられます。

25年分支払ったから終わり、というわけではなく、支払った期間が長いほど、貰える額も多くなります。

なお、収入面などで保険料の支払いが難しい場合、手続きをすれば「年金保険料支払い免除」となります。この免除の期間も、保険料支払い期間に含まれます。ただし、実際に保険料を支払ったわけではないので、給付額は減ります。
年金のおおまかな仕組み2
年金というと一般的には、高齢者に支払われる給付金のことをさします。これは「老齢年金」と呼ばれます。

実は年金にはこのほかにも「2つのサービス」がついています。

1つは、障害を負った人に支給される「障害年金」、もう1つは、加入者が亡くなった場合、遺族に支給される「遺族年金」です。

「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」の3つのサービスは1パッケージになっています。つまり、年金加入者は3つのサービスすべてに、自動的に加入していることになるのです。

「これまでの出来事」(年金の歴史)

現在の年金制度は、どのようにして出来上がったのでしょうか。また、現在の問題点は、どこに原因があったのでしょうか。年金制度の歴史の流れを見てみましょう。

◆初期〜1960年代

年金制度は、軍人恩給からスタート】
旧日本軍の軍人や遺族に支給された恩給制度が、日本の年金制度の始まりです。1905年には、鐘淵紡績が日本初の企業年金制度(従業員のため企業が運営するの年金制度)を導入しました。

太平洋戦争中の1942年、労働者年金保険法が導入され、一般の労働者へも年給制度が広がりました。導入の背景には、国力強化のために勤労意欲を上げる目的もあったとされています。44年には同法を厚生年金保険法に改称。現在の年金の原型ができあがりました。

終戦後の急激なインフレで、戦時中に定められた年金制度は破綻しかけていました。そのため、1954年に厚生年金法を改正。報酬比例部分(現役時の給料水準に合わせて支給額を決定)のみだった年金に、定額部分を組み合わせるなどの改革を行いました。

【国民皆年金制度スタート】
「国民皆保険」の実現が進む中、国民皆年金の実施が強く求められるようになりました。1961年には、厚生年金や共済年金の対象外だった自営業者や農林漁業事業者などを対象とした「国民年金」が導入されました。 これにより、国民皆年金が実現しました。 翌1962年には、社会保険庁が発足しています。

1875 海軍で恩給制度が始まる

1905 鐘淵紡績で日本初の企業年金制度を導入

1940 船員保険制度が始まる

1942 労働者年金保険法施行

1944 厚生年金保険法に改称

1948 国家公務員共済組合が発足

1954 厚生年金保険法改正

1959 国民年金法公布

1961 国民皆年金

1962 社会保険庁設立

「わか〜る」用語集(年金に関する用語集)

年金に関する用語集です。

あ行

遺族年金:死亡したときに残された妻や子に支払われる年金。
遺族基礎年金(国民年金)、遺族厚生年金、寡婦年金(国民年金)、遺族共済年金がある。

恩給:国家のために働いた軍人や文官に対して支払われる恩賞金。1875年に海軍恩給制度が導入され、これが日本の年金制度の始まりとされている。

か行

加給年金:厚生年金加入期間が20年以上あり、18歳未満の子供がいるとき、20歳未満の障害1、2級の子供がいるとき、または65歳未満の配偶者がいるときに通常の年金に上乗せして支給される年金。ただし、家族の年間収入が850万円以上の場合は認められない。

学生納付特例制度20歳以上の学生で、本人の所得が一定以下であれば、在学中の保険料納付が猶予される制度。猶予の分は10年以内なら追納できる。

確定拠出年金:企業年金の一種で、掛け金の運用結果によって給付額が変わる年金。米国の税法(内国歳入法401条k項)にちなみ、日本版401kとして2001年に導入された。

寡婦年金:国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(保険料の免除を受けた期間を含む)が25年以上ある夫が死亡した場合、10年以上婚姻関係(事実婚を含む)のあった妻に、60歳から65歳になるまで支給される年金。

企業年金:国民年金、厚生年金とは別に、企業などが従業員を対象に独自に加算する年金。

共済年金:公務員や教員等、特定の職域の被用者のために、各共済組合等が支給する公的年金。

カラ(空)期間・合算対象期間:任意加入のもと、年金保険料を納めなかった期間。受給資格期間にはカウントされるが、年金額には反映されない。

グリーンピア:被保険者、年金受給者の福祉・保養のために建設された大規模保養施設。旧年金福祉事業団(年金資金運用基金)が1980年から1988年にかけて全国13ヶ所に設置したが、2005年12月までにすべての施設が地方公共団体等へ譲渡された。

厚生年金:正式には「厚生年金保険」といい、主として日本の民間企業の労働者が加入する年金制度。加入者やその遺族に老齢年金、障害年金、遺族年金が支給される。

厚生年金基金:企業年金のひとつで、厚生年金の運用・支給を代行する特別法人。運用収益と企業側の掛金が上乗せされて支給される。

国民皆保険・皆年金:日本国民のすべてが健康保険と年金に加入していること。日本に住んでいる人(外国人も含む)が対象。1961年に達成された。

国民年金:日本の公的年金の基礎となる年金。基礎年金。日本は国民皆年金体制をとっており、20歳以上60歳未満の日本国民のすべてが、国民年金に加入する事を義務付けている。

個人年金:公的年金(国民年金、厚生年金、共済年金)以外で、個人が民間保険会社などと契約し、給付される年金。公的年金とは違い任意加入で、積立方式で運用される。

さ行

裁定請求:年金を受ける資格ができたときに自分で行う手続きのこと。資格を得ても自動的に給付が始まるわけではなく、手続きを経なければ給付は行われない。

3階建て部分:厚生年金の企業年金にあたる部分、または共済年金の職域部分。年金の仕組みはしばしば3階建ての家に喩えられる。1階部分が全員共通の「国民年金」、2階部分が「厚生年金または共済年金」、3階部分が「企業年金または共済年金の職域部分」となる。

死亡一時金:国民年金の第1号被保険者として保険料を3年以上納めた人が、老齢基礎年金、障害基礎年金のいずれも受けないままに亡くなったとき、その遺族に支給される一時金。遺族基礎年金、寡婦年金を貰えない場合に支払われる。

照合:年金記録を保存したコンピュータの中から、氏名や生年月日が一致する記録を探し出す作業。

所得代替率:現役世代の平均収入に対する給付年金の割合。例えば所得代替率50%のとき、現役世代の平均収入が50万円なら、給付年金は25万円となる。2004年の年金改革で、政府はモデル世帯の所得代替率50%を維持する方針を示した。

社会保険庁:厚生労働省の外局(独立した専門部局)で健康保険、年金に関する事業の実務・運営を行う機関。1962年に設立。2010年に廃止が決定している。

申請免除:所得が少なくて年金保険料を納めるのが難しい人などを対象に、納付を免除する制度。全額免除、半額免除、4分の1免除、4分の3免除、学生納付特例がある。

た行

代行返上:企業が厚生年金基金の運用分を国に返上(移転)すること。企業と社保庁のデ−タの違いが全体の5%に達する例があった。

脱退手当金:会社をやめる時に、それまで払った保険料が一時金として戻るかわりに、厚生年金をもらえなくなる制度。基礎年金制度導入に伴い、1941年4月1日以前生まれの人を除いてこの制度は廃止された。

追納:法定免除または申請免除を受けた免除期間分の年金保険料を後から納付すること。現時点から10年以内の期間であれば、遡って納めることができる。

突合:コンピュータ上の記録が正確かどうかを確かめるために、元の資料である紙やマイクロフィルムで保存されている記録と見比べる作業。

特例納付制度:過去に保険料を支払わなかった人の救済処置として後払いを認めた制度。70〜72年、74〜75年、78〜80年の3回実施。当時、国民年金の支払窓口は市町村だったが、特例納付は社会保険事務所で直接支払うよう省令で定められていた。

特殊台帳:未納や前納など特別な記録を持つ加入者の履歴を管理するもの。