9/23-24、オプション志塾(いわき市ボランティア+自然循環農業体験)報告 | 再生日本21


9/23-24、オプション志塾(いわき市ボランティア+自然循環農業体験)報告

 先の連休の9/23-24で、福島県いわき市でのボランティア+千葉県香取市での自然循環農業体験研修に行ってきました。
今回は志塾生の家族・友人・社員、さらにWmodeメンバーにまで参加者が広がり、いわき市ボランティアには17名、自然循環農業体験にも14名の人たちが参加してくれました。
 
 ①いわき市ボランティア
 
 いわき市ボランティアについては、志塾6期生の横井さんがWmodeの日記を書いてくれていますが、
http://wmode.jp/
小生が感じたことを三つ。
(注:横井さんと段村さんのWmodeでの日記は下に転載しています。またそれに続けて参加者感想も掲載しています)
 
 一つは、ボランティアをマネジメントするボランティアセンターの方々(この方々もボランティア)の大変さです。
ボランティアはどうしても休日に集中します。また人海戦術が必要なボランティア作業は、段々と減ってきています。
したがって、特に最近の休日は作業量に対してボランティアの人数が多くなりがち。
しかし、ボランティアは遠くから来る人も多いから、「作業ありません」はできうる限り避けたい。
さらにネックになってくるのは、いわき市の場合、市の最北部は原発から25キロ圏に入ってしまうこと。
(今回の現場もそうでした)
いわき市にボランティアに行く人は、そんなことは気にしない人でしょうが、センターの人はそういう事情を考慮しないわけにはいきません。
大変だなあと思いました。
 
 二つ目は、避難している若者がすがすがしい表情でボランティアをしていたこと。
嬉しかったですね。警戒区域の富岡町からいわき市に避難。
原発から21キロのところにある広野町の工業団地が震災から数カ月たって再開したので、
今は避難しているいわき市からそこに通って働いているとのこと。そして、休日はボランティア。
傍から見ていると過酷な環境に見えますが、当の本人は恨みもせず、力みもせず、
ごく普通に作業をし、気持ちよく話してくれました。
 
 三つ目は、Wmodeで横井さんも書いていましたように、今回は作業的には物足りなさを感じたくらいでした。
でも、行って良かったと思っています。
それは、上に書いた二つもそうですが、やはり被災地現地に行かなければ感じられないこと、分からないことは、間違いなくあるということが一つ。
また、被災地に行くのは、震災後6回目ですが、今回初参加という方がかなりいらっしゃいました。
そういう方々から、「以前から行きたいと思っていたが、やっと日程が合った」「気持ちはあったけど、こういう機会がないとなかなか自分では行けない」
こういうお声を頂戴しました。気持ちを形にするには機会や場が必要です。それを作れたかなと思いました。
 ただ、これからはもう少し形を変えた支援を考えていく必要があるなとも感じました。
 
②自然循環農業体験
 

くりもと地球村

 23日のボランティア終了後、いわき市湯元の日帰り温泉で汗を流し、反転南下して千葉県香取市にある「くりもと地球村」に向かいました。
http://www1.ttcn.ne.jp/~kurin/
ここで行なわれているのは単なる有機農業ではありません。「目からウロコ」の自然循環農業です。
農業感が変わるのはもちろん、生命感も新たにさせられ、TPPにからんでの日本の農業政策を考えさせられます。GHQの採った政策の新たな問題点も見えてきます。
 分かりやすいところで、まず「雑草」と言いません。「野草」と言います。「無駄な命はない」という考え方です。
そして、「その土地に必要な草が生えてくる」と言います。だから、生えてきた野草を取って、あるいは刈って、その土地に還してやる。
そうしますと、土の微生物の「発酵消化活動」によって、その土地に必要な要素は自給されるのだそうです。ですから、極力堆肥も使いません。自然力農です。
 
 実は、これとほとんど同じ土作りをしている方の話が、「THE NIKKEI MAGAZINE」2011.6.19号に掲載されていました。
宮崎県で50年近く梅作りをしている徳重文子さんというおばあちゃんの土作りです。
「不足していたミネラル分は雑草などをすきこむことで補う」「繰り返し刈り取って、その場で腐らせ」
「無数の微生物が活動できる通気性と保水性に優れた土を作ってやれば、梅は病気や害虫にも負けずに育つ」
 
 「くりもと地球村」では今回、新たなお話も伺いました。こうして消化力を高めた微生物一杯の土は、放射能除染能力があるというのです。
実際測ってみたと仰っていました。あり得ることだと思いました。きっと本来の自然の力というのは、それくらいすごい力、再生力を持っているのではないかと。
もちろん、現代科学的に通じるレベルの話ではないでしょうが。
 
 そもそも、「その土地に必要な草が生えてきて、必要な要素を自給する」という考え方自体が、現代科学では否定されています。
その土地にない元素がその土地に生えてくる草から出てくるはずがないからです。
農場主の佐藤さんは、「学者の先生が来られると、『そんなことはあり得ない』。土壌分析をして『ここでは作れない』と言って、怒って帰って行く。
でも、実際には良い土ができて、美味しい農産物が作れている」と仰います。
(ちなみに、ルイ・ケルブランという学者は生命を育むための「元素転換」はあると唱えたとのこと)

農場主・佐藤さんの青空講義

 
 長くなりましたので、そろそろフィニッシュに向かいましょう。
「くりもと地球村」では、美味しい自然食を夜・朝・昼、3食いただき、最高の秋晴れの下、はだしで畑に入って、
除草作業(野草を取ってその場に置く)をやって、少々収穫してその場でいただきました。
はだしで土を感じての作業だったこともあってか、童心に帰ったような楽しい一日でした。
 
 最後に二つ。
 
 TPPに絡んで農業の近代化・効率化・集約化が当然の如く主張されていますが、そんなアメリカやオーストラリア式の農業を日本が志向すべきなのか。
(①.ちなみにオーストリアやスイスといった欧州の小国の有機農業比率は約1割。日本はコンマ%に過ぎません。
自然と、地域と共生する、日本ならではの農業の再生をこそ、志向すべきではないでしょうか。
②.そもそも、TPPに関しては「乗り遅れるな」ばかりでまともな議論がさっぱりなされていません。
日本は諸外国と比較して本当に「鎖国」と言えるような状態なのか(そんなに関税率は高いのか)、
なぜより柔軟なFTAではなく中韓は入らないTPPなのか等、きちんと今一度確認しながら議論すべきでしょう。
 
 農場主の佐藤さんによれば、そもそも、農薬・化学肥料により、自然を制圧する農業というのは、GHQによって日本にもたらされたとのこと。
佐藤さんは「日本人の自然感を破壊した。文化のルーツが断たれた」と仰います。
GHQ政策に関して、こういう視点からの批判的検証も求められると思います。
 
 「目からウロコ」の「くりもと地球村」での農業体験。また来年も企画しますので、まだの方は是非お越し下さい。絶対お薦めです!
 
(稻田雅彦)
 

参加者感想
 
生きるということ~いわきボランティアで感じた事(Wmode日記から転載)
 9/23に志塾 稻田事務局長、日高塾頭はじめ再生日本21御支援の方、塾生など総勢17名で福島県いわき市へ被災地ボランティアへ行って来ました。
被災地へ行くのは、5月の石巻以来2回目です。復興支援ボランティアセンターで手続き後、現地へ行きました。
そこはとても海に近い所で、台風後ということもあり、波しぶきがあがっているのがすぐ分かりました。
被災家と田んぼの周りの溝に溜まっている汚泥等をとる作業でしたが、到着した時は、既に沢山の方が作業されてて、
また、この日以外に何度も作業されている様子だったので、ほとんどきれいな中最後の仕上げに参加したので、正直あまり達成感は無かったです。
 しかし、作業場の田んぼの一角で、花とお菓子をお供えされている所を見て、ここでお亡くなりになられた方がいらっしゃったんだと分かり、
何とも言えない気持ちになりました。と言うのも、たまたまこの日、集合場所東京へ向かっている電車に乗っていた際に、人が線路内に入った為約10分停車したのです。
人身事故は未遂で済んで良かったのですが、片や死を急ぐ人、片や生きたくても自然の威力には勝てずお亡くなりになられた人。
場所は違うけど、『生きる』ということを凄く対照的に感じました。
そして、今回の大震災で、お亡くなりになられた方々の為にも、私達は『生きる』ということに、もっと貪欲でないといけないし、
生かされていることに感謝しないといけないとつくづく思いました。
大変息苦しい世の中ですが、この時代を生きているだけでも凄い事だと死を急ぐ人に強く言いたいです。
また、そういう人は一度被災地へ行って体感して下さいと強く言いたいです。
 前回とは、また違ったとても貴重な体験でした。稻田事務局長、日高塾頭はじめ、今回御参加された皆様、どうもありがとうございました。
(横井恭子)
 

いわきでのボランティア(Wmode日記から転載)
 9月23日、福島県いわき市にボランティアに行きました。ボランティアに行くのは、2回目ですが、福島県には初めて行きました。
 現地は海がすぐそばにあるかなり広い場所でありました。別のグループの方もかなりいましたので、大勢での作業となりました。
田んぼの周りの溝にたまっている汚泥を取る作業でした。
前回のボランティアでは、汚泥といっしょに埋まっていましたのは、ガラスの破片や小さな板など細かい物ばかりでしたが、
今回は、10人もしくは、それ以上の人数で持ち上げなければ、取り出せない大きな物まで埋まっていました。
 午前の作業が終わりまして、休憩時間がありました。五ヱ門(日髙)さんといっしょに海の周りを歩き、地震や津波によってこわされてしまった家等があり、
あらためて地震の恐ろしさを感じました。
 午後の作業は、少し移動した場所で行いました。田んぼの周りの溝にたまっています泥水や汚泥を取る作業でありました。
 管理人(稻田)さんと五ヱ門(日髙)さん、横井さんとのぶりん(高橋)さん、そのほか初めてお会いしました方がいまして、
今回は、16人の方と作業させていただきました。お世話になりました皆様、ありがとうございました。
(段村和寛)
 

人間として大事なものが心に落ちた!
 
いわき市のボランティアセンターに到着し、作業場所が原発より25kmの場所と説明がありました。
正直な話、一瞬ですが「大丈夫だろうか?!」と思いました。
自分の事、社員の事、息子の事、同行している稻田さんや志塾生、そして他の方々・・・僅か10秒くらいですが心臓が高鳴ったような気がします。
しかし経営者や父(一家の大黒柱)は決断を急がねばなりません(大袈裟ですが)。
浅井先生のお話、稻田さんの日頃からのお話、飛岡先生の講義内容、自分の数少ない情報等々、知っている限りの知識を集め「行くぞ!」と決めさせて頂きました。
日頃よりボランティアをされている方々やそこに住んでおられる方々もいらっしゃる! 今、人を少しだけですが助けないでどうする!と逆にヤル気に変わりました。
「息子さんがまだ小さいので心配」と言ってくださって大変有難かったですが、その時はすでに行く!と決めた後でしたので、
「大丈夫です」という言葉になったと思います。このような考え方になったのは様々な方のお話や情報提供があったからだと感謝致しております。
 作業内容は時間・内容共に多少物足りなかった感じですが、
私達は一度だけしか来ておらず、他の方々は何度も来たり、毎日作業されている方もいらっしゃる事を考えれば、
ちょうど良い作業内容かもしれません。
最初はこんな程度で本当に役に立っているのか??と思っておりましたが、
午後の作業中リーダーの方が「泥で側溝の流れが止まると家の中の排水が逆流して溢れ返って来る。
この作業でそれが無くなり、周辺住民は大変喜んで頂けますよ」と言ってくださり、
僅かですが人のお役に立ったと私も社員も(息子は??)充実感があったと感じさせて頂きました。
 
 翌日の自然循環農業ですが、人類が便利さと快適さを(欲の)追及した代償が、農業、人体そして地球に大きな負荷をかけて来た事を実感しました。
自分自身の健康にも良いお食事を提供して頂き、少しでも多くの方が自然の摂理=人は生かされている!ということに、
一瞬でも気付けた事がとても凄いと思いました。
 人は生まれながらにして自然と調和し、そこから大地や自然の恵みを頂き、生かされている。
何のために生まれてきたのか? 動物や虫、木や花など、どうして存在しているのか? 考えさせられました。
結論が出た訳ではありませんが、まずは産んで頂いた事への感謝、食べている事への感謝、人と出会える事への感謝、太陽や自然への感謝。
感謝の気持ちを持ってそれに少しでも恩返し出来る生き方が、人としての道と私自身は理解しました。
 
 今回の経験はただの研修や知識の習得ではありませんでした。それぞれ、人間として大事なものが心に落ちた!!と実感しました。
本当に貴重な体験をさせて頂き、またこのような企画や段取りをして下さいまして本当にありがとうございました。
 
(高橋伸英)

作業する高橋さん親子

 
(注:高橋さんは、7歳の息子さんと5人の社員さんを連れて、今回の研修に参加してくれました)
 

喜んでもらえ、次への励みに
 6月の南相馬でのボランティアはアルバム等の洗浄でしたが、
いわきでは短い時間ではありましたがスコップを使っての側溝の清掃をしましたので、汗をかくことができました。
自己満足に終わってはいけませんが、小さくても達成感があれば、「次回も」と思えます。
アルバム等の洗浄の時は、水で洗おうとすると写真が溶け、白い紙だけになってしまいます。
そのため、汚れをふき取るだけにした写真がたくさんあります。この写真が持ち主の手に戻ればいいなと思いつつ。
本当は、住所と名前が推測できるアルバムや卒業写真を直接届けたい、遅々として進まないアルバム等の洗浄をしながらそう思いました。
いわきでは、汗を流し、地元の方に喜んでもらえました。次への励みになります。
 くりもと地球村では、初めての体験をたくさんできました。土の感蝕、玄米の旨さ、生野菜の味わいなど。
印象に残っていることを一つ挙げるとすれば、くりもと地球村では「雑草」と言わず「野草」と言っていることです。
かつて、昭和天皇が「雑草という名前の草は無い」と言われたと、ものの本で読んだことを思い出しました。
 大変勉強になる一泊二日でした。
(高見裕二)
 

今までの考えが180度変わった
 この度はいろいろとお世話になりまして、本当にありがとうございました。
 私は、元気に翌日(注:9/25(日)のこと)出社し3人のお客様とお話ししてまいりました!
よいお食事で元気になったのかもしれません!
 本当に目からウロコの農業体験でした。
昨日は、NHKスペシャルで偶然にも農業について放映されていましたね。
(焼畑なのであまり関係ありませんが。。)
じっと見てしまいました。
(注:9/26のメールです)
 循環農法のお話を聞き、感動いたしました。雑草を「野草」と呼ぶ考えには、すべての生きものを敬う精神を感じました。
共に共存して、いいものをつくる、などなど。私たち、人間関係にも強くあてはまり、考えさせられました。
そしてその結果は、それらの野菜の美味しさと、土に如実に表れていました。
佐藤さん、稻田さんをはじめ、皆さんのお話を拝聴し、今までの考えが180度変わってしましました。
 充実した時間を過ごせました。ありがとうございます。
(酒井亜里佐)
 

励ましになっていることを確信
 志塾の体験研修会に参加させて頂きありがとうございました。 
 研修会の準備、運営にたいへんご苦労されたことと存じますが、私としては稻田さんもコメントされていた多くの清々しい人達(塾生も含めて)に会えて、
たくさんのパワーを頂きおおいに満足しています。
 災害ボランティアは今回3回目でした。初回は岩手県宮古市で、同市出身の友人と二人きりの支援団体を作り6月初めの1週間、下水の泥だしなどをしてきました。
明日は我が身、困っている人の助けになれたらという気持ちが私のボランティアの主な動機ですが、
今回の震災が日本国破産の引き金を弾いたのでないか?それを自分の目で確かめたいという動機もありました。
震災の巨大さ、原子炉災害の深刻さと日本政府の余りの無能さの中で、災害復旧、地域社会の回復への道のりの遠さが、現場にいるとひしひしと感じられます。
そして、地域の復興にボランティアはどれほどの役に立つのかと感じていました。
勿論、地域が甦るか否かは、その地域の人材とパワーを結集させる地域でのリーダーシップにかかっていますが、
今回の研修で、ボランティアの微々たる仕事量でも、地域で頑張る人たちには大きな励ましになっていることを確信できました。
 有機農業にも興味を持っていましたが、手間ひまを掛けないと出来ないものかと思っていました。
くりもと地球村の研修のお陰で、自分でもやれそうな気がして来ました。
友人の亡くなったお母さんが耕作していた丘の上の小さな畑ですが、今は笹薮になっています。
友人が勝手に使っていいと言ってますので、開墾する気になってきました。
 ありがとうございました。
(佐藤洋)
 

自然循環農法、素晴しいモデルケース
 ボランティアに関しては、今回は少し楽だった様だが、ほかの志塾の方々が頑張ってこられた話など色々聴かせてもらって良かった。
訪れた場所は約25キロ圏内だったが、原発の「げ」の字も感じさせないような雄大で自然にあふれた場所だった。改めて「こんないい所が・・・」と思った。
 日本の野草力に目を付け、化学肥料・農薬を一切使用せずに、豊かな生態系の発酵消化力で循環する農法を実践されているのを見せていただき、
素晴らしいモデルケースであると思った。
どこかの青汁の宣伝でも、無農薬で土にこだわった栽培方法だったが、全国に散らばっているそういった思想が結びついていけばいいのになあと思った。
都会の喧騒から切り離された空間で過ごし、自然食を3回しか取っていないにもかかわらず、家に帰ってからも体調面でなんとなく調子が良かったのにも驚いた。
 いろいろお世話になり有難うございました。本当に楽しい研修でした。
(赤城実輝)